2014年4月 竹富島/黒島

 

 4月10日~15日 一足はやく、南の島へ

数年前に北海道へ行った。あー、田舎はいいなー、カントリーサイドはいいなーと満喫し、「やっぱり私は山派(陸派?)、海ではないな」と思っていました。ということで、南の島にはそれほど食指が動かなかったのですが、海の写真が撮りたいと思い立ち、それなら沖縄かしら?とウン10年振りに沖縄へ行って来ました。夏は暑すぎるし、5月には梅雨入りするので、GW前のこの時季に行くことに。なかなか、いい季節の選択だったようです。行きはスカイマークの始発、6:25羽田発。チケットを取ってから気づいたのだけど、そんな朝早く行けるのだろうか。。。案の定、地元も始発に乗るハメに。それでもかなりギリギリで、カウンターで名前を呼ばれてるんじゃないかとヒヤヒヤしたけど、そんな心配も泡と消えて無事離陸。しばらくすると、車窓には富士山の勇姿が。天晴!3時間のフライトで那覇着、乗り換えて1時間で石垣空港に。そう、今回の目的地は離島。もう、本島はすっ飛ばしました。実は、ずっと前から竹富島に行きたいと思っていて、やっと叶いました。竹富までは石垣島の港から船に乗るのですが、まずはその前に腹ごしらえ。石垣島ラー油で有名な辺銀(ペンギン)食堂で、ジャーン麺のセットを。港に向かう前にアーケード街に寄ってみたのですが、人も少なくて寂れた感じ。夏休みには賑わうのでしょうが、やはり地方の町は寂しい感じですね。。。さて、離島ターミナルでチケットを買い、いざ乗船。実は乗り物にはあまり強くなく、特に船はドキドキなのですが、竹富までは15分、どうにかやり過ごしました。島は周囲9キロとかなり小さく、迎えにきてくれた民宿の車で集落まで5分ほどで到着。さっそく集落の探索に出掛けました。竹富島は赤瓦の家と石垣の塀が、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。あぁ、これが見たかったのよ!そして赤瓦の上には、いろんな顔つきのシーサーが。大分お年を召して朽ち果てているのもあるが、こんな手鞠を持ったヤツも。そして竹富は水牛車でも有名です。人を乗せた車を引いて、人と同じくらいの速度でゆっくり歩きます。ときどき御者のお兄さんが三線を弾いて歌ったり、ゆったりとした時間が流れていきます。学校ものどか。小中学校が同じ敷地にあり、今は両方あわせて30人くらい?後日お店で会った中学生に聞いたら、1/5が同じ姓だとか。そんな集落を歩いていると、なにやら鳥居が。ここは御嶽(ウタキ)という神聖な場所で、むやみに入ってはいけないそう。こんな場所が島のあちこちにあります。島全体が自然と神秘に溢れている竹富。海は明日にまわして、早起きだったので今日は早めに就寝。ヤモリがキュッキュッと鳴いて天井裏をタタタッと走り、外では遠くから何か生き物の声が。静かな島です。

さすが世界遺産!

南の島ならではの
ブーゲンビリア

竹富らしい、
赤瓦とシーサー

名物、水牛車
モォ~

神聖な御嶽

 

 

 

 

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 2日目
さーて、今日は自転車で島中を走りまくるぞー!と、宿の隣のレンタサイクル屋さんへ。実は宿の前に自転車の車庫があって、100台はあろうかのその多さに驚愕してました。夏休みの繁忙期でも、いくらなんでもそんなに人がくるのか…?と聞いてみたら、修学旅行の大集団がくることがあるとのこと。なるほど。でも、この小さな島に100台もの自転車が走っていたら、結構な渋滞ですね。さて、まだまだ繁忙期ではないので、たっぷり乗ろうと時間貸しではなく一日レンタルに(1500円)。お店手作りの分かりやすい地図を片手に、いざカイジ浜へ。いやー、さすがにキレイですねー!砂が白い!海が青い!空も青い!沖縄の海が青くてキレイなのは水がキレイなのは勿論ですが、本州の砂浜の砂が火山灰で灰色なのに対して、沖縄の砂はサンゴのカケラで白いために海が青く見えるのだそうです。なるほどー。そして、ここカイジ浜は星砂で有名です。星砂とは有孔虫という原生生物の抜け殻だそうです。手で砂を掴めば星砂がザクザク…、というわけにはいかず、残念ながらなかなか見つけることができません。手のひらを砂に押しつけて、手に残った砂を見ると…あった!ひと粒…というくらいです。それでも、そんな星砂を探そうと、次から次へとマイクロバスがやってきて団体さんが砂を掘り起こしては20分くらいで帰っていきます。そんな忙しい団体さんを横目に、写真を撮ったり木陰でネコと戯れたりと、2時間くらいはいたでしょうか。そう、この浜にはネコが2匹いました。島にはきっとネコがたくさんいるだろうと、実はカリカリのネコ餌を持ってきました。これで手なずけて写真を撮ろうという魂胆です。さすが、ネコのためのネコ餌、相当美味しいのか素晴らしい食いつきっぷりで、「もっと、くれニャー」と擦り寄ってきます。キリがないのでほどほどにして、次は島唯一の海水浴場コンドイビーチへ。どの浜もキレイなのに、意外なことに泳げるのはこのコンドイビーチだけです。確かに他の浜はすぐ深くなっていて、周りはもう外海で危険。が、コンドイビーチはずーっと遠浅で、ちょっと向こうの中洲までも歩いていけるようです。ここがまた、広くてキレイ!遠浅の白いビーチがどこまでも続いていて、どこを撮っても絵になります。写真、撮りまくる撮りまくる!今回から使うカメラのフィルターの使い方がイマイチ分からず、相当な枚数を撮ったでしょうか。さて、ここいらでお昼にしましょう。集落に戻り、「竹の子」というお店で八重山そばを。沖縄はソーキそばが有名ですが、ここ八重山諸島は八重山そば。麺もスープも、ラーメンのような、そうでないような不思議な味。それにかける、島名物のコショウ「ピーヤシ」も不思議な味。お腹も満ちたところで、次は島の北部のミサシ岬という岩がゴツゴツしたところへ。ここまで来る観光客はほとんどいないようで、地元のおじさんがモズクを採っていました。この、島の北部からは、向こうの方に石垣島が見えます。ここまで来れば、かなり島を制覇した感じです。よく走りました。

自転車だらけ~!

星砂のカイジ浜

遠浅の

コンドイビーチ

食いしん坊

ミサシ岬

八重山そば


暑いし、島中を走り回ったので疲れました。ちょっとカフェで休憩でもしたいものですが、カフェってあるのかしら?ありました!集落の中に、その名も「なごみカフェ Haa-ya(ハーヤ)」という、なごめるカフェが。コンクリート打ちっぱなしのちょっとオシャレな店内、でも気取った感じはなく、風が気持ちよく入ってきます。サーターアンダギーと紫のお餅、マンゴージュースでひと息つきました。さて、そろそろ今日も終わりが近づいてきたので、夕陽で有名な西桟橋へ。少し早めに行って夕陽が落ちるのを待っていましたが、そのあいだにも次から次に人が集まってきて、小さな桟橋の上は人で溢れんばかりです。夕陽は竹富の西にある西表島の向こうに、ゆっくりと落ちていきました。夕陽に染まる海も、とてもキレイです。ときどき、魚の群れか?ザーッと音をたてて波紋が広がっていく様子も神秘的です。すっかり日が落ち、宿に帰る道には裸電球の電柱が物悲しいレトロな灯りを落としていて、まるで映画のセットのようです。夕方の最終便の船が行ってしまうと、島内は急に静かになります。

なごみカフェにて

西桟橋の夕陽

西表に夕陽が落ちる

 

水面もキレイ

夜の島は静か



 3日目
竹富での最終日。早起きして朝日を見にいきました。朝日の見れるアイヤル浜は歩いて30分以上、ちょっと行けないなーと思っていたら、レンタサイクルの一日レンタルはなんと24時間とのこと。ということで、自転車をグングン走らせ、15分ほどで浜に着きました。夕陽と違って人は数えるほどしかいません。少し雲があったけど、石垣島の方から朝日が昇ってきて、上空のうろこ雲に朝日が映ってキレイです。宿に戻り朝食後は、自転車の返却時間まで、もう一度コンドイビーチへ。9時頃はまだ人が少なくて、朝の清々しい海を堪能できます。そんな中、やはり人のいない海をバックに、新郎新婦の記念撮影をしていました。海もキレイだけど、とてもキレイな花嫁さんでした。海から帰り自転車を返却したので、近場の集落をぶらぶら。島の中央に「なごみの塔」という見晴台があります。ちょうど滑り台のスロープ部分がないような形で、結構急なコンクリートの階段を登ると、人ふたりが入れるほどの見晴台が。島はほとんど起伏がなく、平屋の家ばかりなので、とっても見晴らしがいいです。ただ、降りるときは要注意。高所恐怖症の人には、ちょっと無理かな?さて、今日のお昼はちょっと奮発して、「やらぼ」というお店で車エビそばを(1650円!)。竹富で獲れた車エビがゴロゴロ入っています。出汁もきいてて、おいしー!と満腹になったところで、ちょっとレジャーでもしておくかと、午後はグラスボートに乗りにいきました。船底がガラスになった船でサンゴ棚や魚が見れます。青や黄色や縞々の魚たち、大きなサンゴは100年以上のものも。島のすぐ周りが大きなサンゴに囲まれているのに驚きです。宿に戻ると、すっかり仲良くなった飼い猫「にゃんじ」が出迎えてくれました。おじぃに夕飯をねだっています。ヒトも夕飯タイム、ご飯食べてお風呂に入ったら、テラスで宿飲み会「ゆんたく」が始まっていました。今日の宿泊はリピーターらしい若いカップルが多く、泡盛で楽しく盛り上がりました。ひとしきり飲んだあと、宿のお父さんが近くに蛍を見にみんなを連れていってくれました。残念ながら満月に近い月明かりで、蛍の光はかすかに。竹富最後の夜も、のんびりと更けていきました。

朝日は

ちょっとワイルド

朝のコンドイビーチ

記念撮影中

なごみの塔

お魚くわえたシーサー

車エビそば!



 4日目
竹富をあとにして、今日から黒島に移動します。直行便はないので、いったん石垣に戻り、石垣から黒島行きの船に。今度は30分かかるので、船酔い心配。前回は船内に入ってしまい、おえっぷギリギリだったけど、天気もいいのでデッキにいたら風も当たって気持ちいい~。しかも途中から船はかなり速度を上げ、船尾の波しぶきがハンパなく、笑えるほどにゴーカイ!と、船酔いの心配もなく黒島の港に到着。とーーーっても小さくて、船が着かないときは人っ子ひとりいないような港です。竹富の倍の広さの黒島ですが、観光立国な竹富に比べ訪れる人も少なく、観光スレしていなくて逆にのんびりしています。黒島は人口200人に対し牛3000頭!、牛の島です。といっても飼育が目的、全国各地の名産牛の元になる仔牛が出荷されるとのこと。松坂牛や石垣牛はあっても、黒島牛はないそうです。今日の宿は黒島で一番古い民宿、庭のガジュマルがシンボルの「みやき荘」、迎えにきてくれたのは3代目の若いご主人。竹富もそうでしたが、民宿の部屋は畳も古くちょっと寂しい感じだけど、廊下を渡る風が気持ちいいです。さっそく民宿の自転車を借りて、島内冒険~。すると、なにやら人だかりが。なんと、たった今、仔牛が産まれたとのこと!まだ体が濡れていてヨロヨロの仔牛を、お母さん牛が一生懸命舐めてあげています。面白いことに、周りに何頭もオトナ牛がいて、まるでガードマンのように親子を守っているようでした。仔牛は何度も立ち上がっては倒れ、ようやくお母さんのお乳を飲み始めました。

庭のガジュマルに
ブランコ

部屋は寂しいけど

風が気持ちいい

牛だらけ~

産れたてベビー牛

牛さんアップ
泣いているよう?


見届けたので、ヒトもお昼にするか。宿の若旦那が「実は今日、島の嫁たちが集まって嫁市をやってるんです」と言っていたので、行ってみることに。会場になっている民家の軒先には三角旗が飾られていて楽しそう。庭では古着を売っていたり、黒島名物のアーサという海藻の天ぷらを揚げていたり。部屋の中にもお嫁さんたち手作りのお料理がたくさんあり、一品持ち寄りか300円で食べ放題とのこと。なんと、お皿は葉っぱです!アーサのスープやパスタ・サラダなど、美味しくいただきました。30代くらいの島のお嫁さんたちは、殆どが本土ナイチャーの人だとか。島の自然と、のんびりした生活を求めて嫁いできたのでしょうか。みんな自然体の気さくな人たちばかりでした。ナイチャーのお嫁さんといえば、こんな出会いが。島内を自転車で走り回っていたら、民家の玄関に「乾燥アーサ、あります」の看板が。乾燥アーサが欲しいと思っていたので、ごめんくださいと訪ねたら、真っ黒な顔のおばちゃんが。色々と話をしていたら、おばちゃんはなんと、ウチの実家のすぐ近くに住んでいたことがあるとか。しかも、歩いて5分くらいのところに!なんという出会いでしょう。これも、旅の醍醐味ですねー。買って帰ったアーサをサラダなどで食べるたび、おばちゃんのことを思い出しています。

島の嫁市、開催中!

 

アーサの天ぷら

葉っぱのお皿!

これがアーサ
乾燥→水で戻したもの

 

ヤギさん親子もいます



 5日目
さあ、今日も自転車でグングン走ります。まずは、伊古桟橋という長い長い桟橋。大正時代に作られて延長に延長を重ね、350mもあるそうです。今は使われていなくて、その良い具合に朽ち果てた感じが郷愁を誘います。ここでも写真を撮りまくっていると、桟橋のふもとの森の方から猫の鳴くような声が。クジャクだ!ここ黒島には野生のクジャクがいるとのこと。これは以前、近くの小浜島のリゾート施設で飼われていたものが逃げ出し、天敵がいないので繁殖したものだそうです。外来種で畑の作物を食べたりするので、定期的に駆除されているそうです。警戒心が強いのかなかなか姿が見れず、もちろん近くには寄れませんが、クジャクが空を飛んでいる姿はかなりワイルドです。その他には、ヤギもたくさんいます。こちらは野生ではなく、民宿や観光施設で飼われています。ファミリーのものが多く、親はつながれてますが子ヤギは放し飼い。中型犬くらいで、撫でても気にせず無心に草を食んでいます。そして、キレイな蝶もたくさん。

伊古桟橋

クジャク、現る!

前髪カールがステキ

子ヤギは放し飼い

キレイな蝶


このように生き物の多い黒島ですが、黒島ではずすことができないのがウミガメです。島にある西の浜という浜辺は、アカウミガメ、アオウミガメ、そしてタイマイというウミガメの3種が産卵するという、世界でも希少な浜辺だそうです。(黒島研究所というウミガメの研究施設では、飼育しているウミガメを見ることもできます)その西の浜へ行ってみました。意外と砂浜の奥行が短く、産卵渋滞にならないのかしらと思ったけど、自然のままの浜辺でとても静か。そして、岩場の上から見た海はどこまでも青く、この海の向こうからウミガメたちがやってくるんだなーと思いました。この他にも小さくてキレイな浜辺も多いのですが、長年の波に侵食された奇岩も黒島にはたくさんあります。写真の岩は、まるで牛さんのよう。牛といえば、お昼には牛そばを食べました。柔らかい牛肉がゴロゴロ入っていて、こってりとボリューミーでした。今日も島内全域を走りまくったので、夕方ひと息つきに「IKONOMA」というカフェへ。オーナーは宿のお嫁さんのお友達で、以前パリでデザイナーをしていたこともあるとのことで、落ち着けるステキなカフェです。いただいたタルトとミントティーも、とっても美味しかったです。

西の浜には…

ウミガメが産卵にきます

海がキレイ!

牛さん岩

肉肉の牛そば

カフェで休憩



 最終日
昨夜は宿を移って「なかた荘」に泊まりました。比較的新しい宿で部屋もキレイです。夜は他の宿泊客や宿のオーナーと、ゆんたく。一人旅の人がほとんど、それも圧倒的に女子が多いです。女子の行動力は恐るべしです。さて、最終日は黒島の絶景ポイント、仲本海岸に行きました。ここは干潮になると珊瑚礁のリーフに囲まれて天然のプールのようになり、シュノーケルに最適なポイントです。今回、一応水着は持ってきたのですが、写真を撮るのが目的だったので結局いちども泳ぐことはなく、足だけチャプチャプやっていました。シュノーケルも興味はあったのですが、時間があまりないのでまた次回に。干潮で浮き出た岩場をつたって沖の方へ歩いてみます。ところどころ急に深くなっているので要注意。気を付けないと、ドボンです。普段は海の底の方にある大きなサンゴも海面スレスレに見えます。グラスボートで見たキノコ状のものや、色付きのサンゴもありました。そして岩場の水たまりになったところには、取り残された色とりどりのサカナたちが。青いのや黄色いのや縞々のや、まるで熱帯魚のよう。まさしく、天然の水族館ですね。これを水中で見たら、きっともっと感動するんだろうなぁ。今度来るときは是非、シュノーケルも体験しよう!あ、あれ?南の島はあんまり…、なんて思ってたハズなのに、なんだかすっかり虜になっちゃってます。やっぱり自然のチカラは偉大です。今回は2つの島だけでしたが、この八重山諸島だけでも、西表島のジャングルツアーも楽しそうだし、由布島では水牛車で海を渡りたいし、やっぱ最果ての波照間島にも行ってみたいし…。なんだか沖縄も、これからリピートする機会が増えそうです。まだまだいたいけど、そろそろ帰りの時間。後ろ髪をグイグイ引かれつつ、青い海と空をあとにしました。

夜遅く東京に戻ってきたら、また少し寒くなっていたのか革ジャンを着ている人も。この数日感の南の島は夢…だったのかしら?

珊瑚礁の海岸

腰掛けキノコみたい

青いサンゴも

青い魚がいっぱい

ウミヘビもいます